アサヒカメラ増刊「都市を視る」

被写体としての都市は現代写真においては主要なテーマです。当初は発展する未来への希望、もしくは逆に均一的、合理主義的な側面から人間性の抑圧としてのメタファーとして使われる場合が多かったように思われる。しかしながら80年前後から顕著になるが、生活や文化のメディアとしての都市を視るという観点から切り取るようになってきた。バブル前の都市の成熟期、日本ではいわゆる西武王国がまさに都市のメディア化を本格的に進めていた頃で、アカデミズムの世界でも都市論やら記号論など現代社会の哲学的解釈も盛んに議論されていた頃でもあった。

この本では桑原甲子雄からウィリアム・クライン、高梨豊、東松照明、朝倉俊博、森山大道、倉田精二、深瀬昌久など、都市を撮り続けた写真家のオムニバス物である。各写真家がどのように都市を捉え、どう定義するのかを比較的に見るもの面白い。